2010/09/20

最終日

スペインの日曜の朝はゆっくりだ。最終日ということもあって、チームの朝食時間も遅めの9:30だった。いつもより、1時間以上遅い。


朝食後も、出発までゆっくりできるので、選手もホテルのロビーでくつろいでいた。



『フレッチャ。今日が最後だね。僕たちは今晩バスクに帰るけど、君はいつかえるの?』そんな会話を交わした。

今回のレースでは、エウスカルテルチームと共に、天国と地獄を味わった。

チームリーダーのイゴール・アントンの暫定首位。
そして、首位のまま怪我による棄権。

それによって、新しく活躍の場が出来たミケル・ニエベの区間優勝。


区間優勝してからというもの、毎日多くのファンがサインを求めて列をなしていた。まさに、新しいスターが誕生した瞬間に立ち会った。

チームのエースにアクシデントがあったとき、スタッフのひとりが言った『これが人生』という言葉。

笑って、泣いて・・・でも最後に大きく笑った。
まさに、その言葉の表裏を見たような気がする。



レースが終わると、その日のうちに彼らの故郷、バスク地方に戻った。
今頃は、家族と共に過ごしているだろう。

・・・そうそう。
ひとつご報告。

今回のヴェルタ期間中に、エウスカルテル・エウスカディのチームオーナーのミゲール・マダリアガから、こんな言葉を貰った。

『フレッチャ。来年はツールとヴェルタ。7月と9月は我々と一緒に過ごして、写真を撮りに来るんだぞ』と。

スペインのバスク地方という、ごく限られたエリアだけの選手とスタッフだけで構成されたチームに、ひとりの日本人が同行した。

不思議なくらい、自然に共同生活をしていた。

選手もチームも、そしてオーナーも。
いつも快く迎えてくれてありがとう。

そんな気持ちでいっぱいだ。